数式モード内の \chardef と文字コード 256

[aminophen]

ptex-base.ch と uptex-m.ch を読んでいて，変だと思ったので MWE を作りました。

問題1

※ printkanji_16bit や unicode-14.0 とは関係ありません

%#!uptex
\chardef\AX=256\relax
\chardef\AY=257\relax
$[\AX A^\AX]$, $[\AY A^\AY]$

\kchardef\KX=256\relax
\kchardef\KY=257\relax
$[\KX A^\KX]$, $[\KY A^\KY]$

\end

この結果は以下のようになり，1行めの左の上付き文字が変です。

文字コード 256 に特有のようで #68 (upTeX の \if) と同様に

\if は制御綴に便宜上「文字コード256」を与える

が原因ではと思います。例えば 0b3df9d はどうでしょうか。（edit: 256 のままでは駄目なのは明らかですが，では何の値にすれば意図通りなのかは自信がありません）

INI モード用 (uptex -ini) のテストファイル → Gist

[aminophen]

問題2

もう一つバグがありますね。 → Gist

% 昨日の INI モード用テストファイルの末尾にこれを追記
\mathcode"79="5AB
\mathcode"80="5CD
\message{\fontname\textfont5}% => nullfont
\chardef\AB="79
\chardef\CD="80

\hsize=300pt \vbox{$[^^79][^^80]\AB\CD$}

(e)(u)ptex では「\textfont5 が未定義というエラー」が2回しか出ず，128--255 の \mathcode 設定が正しく反映されません。古い日本語 TeX のソースを見ると，TeX2 の頃のコードを基にしたまま TeX3 に追随していなかったようです。

set_math_char(ho(math_code(cur_chr))) vs. set_math_char(cur_chr)

→ こちらは 4e8aff1 でどうでしょうか。

[aminophen]

問題1：256 のままでは駄目なのは明らかですが，では何の値にすれば意図通りなのかは自信がありません

→ そもそも cur_chr=256 の条件自体が不要な気がしてきた

[h-kitagawa]

問題 2 についてはこれで良いように思っています．

問題 1 の cur_chr=256 は私もよくわかりませんが，このときmath_code(cur_chr) は範囲外ですからおかしいことは確かです．昔の pTeX から（p3.1.11 までも）残ったコードの誤記

if (cur_chr>=0)and(cur_chr<=256) then begin

が，ptexenc 用に書き換えられたときも直されなかったということなのでしょう．

[aminophen]

#131 マージに伴いクローズ，r61804