『映画ジュエルペット スウィーツダンスプリンセス』の公開初日である本日2012年8月11日にTOHOシネマズ 川崎で初回の8時25分から9時50分の回に映画を見てきた。総合的に見て今作は当たりだと思う。
全然まとまった文章になってないけど、前作の『シナモン the Movie』と比較して良かった点と悪かった点を列挙。念のため立ち位置を述べておくと、自分は基本的にペットなどのキャラクターを見ることが中心であり、比較対象の前作のことは裏切られたと感じており快く思っていない。
- 変わらず良かった点
- ペットたちがメイン。地上波のアニメーションだとどうしても人間どもがでしゃばってくるが、映画ではスウィーツペットも含めペットがメインとなっておりペット好きには堪らんかと。特に序盤あたりはルビー以外のペットにもセリフが多く、そのセリフ回しでニヤリとさせるものも多い。
- 良くなった点
- しごくまっとうなシナリオ。前作のように内容がホラーで上映中に子供が泣き出してしまうようなこともなく安心して見られる内容。年のせいかここ最近涙もろくなったこともあるが、目から鼻水が2回も。
- キャラクターデザイン。おそらくジュエルペットはアニメーションでの展開を意識した上でのキャラクターデザインなのだろう。4年間も地上波でアニメーションを流してきており、年の度にデザインが向上してきていた。サンリオキャラクターにしては珍しく目ぶれができることもあり、ルビーの目がうるうるしているだけで、こっちにまで移ってくる。前作ではシナモンたちのデザインは映画用に変更されていたものの、普段と異なることの違和感、および変更されていてもアニメーションに向かない目のためやはりいまいち。映画用キャラクターのチャウダーは目ぶれ対応だけどチャウダーではねえ。
- ゲスト声優。前作のアンナさん(石原さとみ)はセリフも結構多いだけならまだしも棒具合はひどすぎて気になって仕方がなかった。今作のマーナ姫(芦田愛菜)は子供に任せて大丈夫だろうかと心配していたが、気にならないレベルで助かった。まあペットしか見てないからどうでもいいけど。
- 悪くなった点
- プリキュアの映画を意識しすぎ。山場のところでお客さんに応援グッズを使わせるとか、エンディングでダンスとか、露骨すぎるかなと。自分が見に行った回では子供が5
10人、大人が1015人といった具合で、こんな少ない人数では場が盛り上がることもなく不発でした。一方でSPLの『きら☆デコッ!ミュージカル』では入場待ち時に歌ったり踊ったりしている子が結構いる。川崎の東端ではSPLに来る層とは訓練のされ具合が違うこともあるのだろう。満員御礼だった舞台挨拶つきのTOHOシネマズ 渋谷ではどうだったのかな。十分な人数が埋まっている状態での映画館で一度見てみたくはある。 - 前売り券の特典の種類が少ない。前作の時は前売り券の特典に種類が多く、前売り券を4枚も買ってしまい、それでいて映画の内容があれだったので見るのが結構な苦行ではあった。その反省もあり、今回は1枚だけだったのだが、今作の映画の内容ならもっと買っておいてもよかったかなと。前売り券の特典がいろいろとあれば複数枚購入も余裕だったのだが。
- プリキュアの映画を意識しすぎ。山場のところでお客さんに応援グッズを使わせるとか、エンディングでダンスとか、露骨すぎるかなと。自分が見に行った回では子供が5
まだ映画を見ていない人のための注意事項をば。
- 映画チケットの半券を失くさぬよう。ギフトゲートで半券が塗り絵団扇になる。ワーナー・マイカル・シネマズ 多摩センターの場合はピューロランドで直筆サイン入りポストカード4枚セットがもらえる。ただし後者のは中学生以下に限定。
- https://twitter.com/syuheiabe/status/233836140854116352
- これだからペットをおまけ以下としか考えないやつらは。ぶつぶつぶつ。
以降の文章ではネタバレを含みうる。あと、1回見ただけで記憶を頼りにして文章を書いているので内容が間違っているかもね。
重要なのでもう一度。
- 以降の文章ではネタバレを含みうる。
- 1回見ただけで記憶を頼りにして文章を書いているので内容が間違っているかもね。
時間は10分か15分くらい。同時上映の『おねがいマイメロディ 友&愛』が本編よりも前で、そのことが理解できるまでちょっと時間がかかってしまった。
内容としては、クロミがバーベキューの食材を忘れてきたために、メロディから食材を奪おうとする話。地上波での通常営業のとあんまり変わらないんじゃないかな。『おねがいマイメロディ』はほとんど見ていなかったのでよくわかってない。最初の数話付近でメロディが洗濯タワシにされていたことで切ってしまったので。
バーベキューなのにルビーが食っていたニンジンとトウモロコシがどちらも生のような気がする。無人島ネタ?
映画の本編。前作のように同時上映だった『ねずみ物語』が本編となるようなこともなく、タイトル通りのジュエルペットが本編。時間は60分くらい。
プロットはこんな感じだったと思う。
- 起
- ルビーが忘れていたダンスのことをキングにより思い出す。
- オープニング。
- ダンスでどのペットがセンターになるかで揉めていたが、偶然ルビーがセンターになる。
- マーナ姫の誕生日でダンスを披露するためにスウィーツランドに行く。
- ダンスを披露するジュエルペットとケーキを献上するスウィーツペットとで、どちらが先かで言い争う。ケーキが先に決定。
- マーナ姫が公爵との婚約を拒否。腹を立てた公爵が伝説のスウィーツペットのグミミン(パク)を城に送り込みパーティを無茶苦茶にしようとするが、パクは記憶喪失になってしまったため役に立たず。
- マーナ姫がケーキに入刀しようとするが、パクによってケーキをすべて食べられてしまう。
- 承
- 誕生日パーティを延期し、ジュエルペットとスウィーツペットが協力してケーキを作りなおそうとするが、またもやパクにすべて食べられてしまう。
- 大臣からの提案で、一部のスウィーツペットがジュエルペットにスウィーツランドを案内させる。残りのスウィーツペットはケーキ作りを続行。
- 観光のついでにお土産としてスウィーツの材料を集める。
- ルビーがパクにダンス講習。
- キャンディータワーの異変に気付く。
- 転
- パクがグミミンの記憶を取り戻し巨大化する。暴走してタワーだけでなく周囲の建物を食べだす。グミミンの使命だけでなくパクのころの記憶も失っている。
- 大臣は、グミミンの使命を思い出させて、タワーをすべて食べさせマザーマウンテンで眠らせようとするが、ルビーがその案に反対する。
- マーナ姫が魔法でグミミンの暴走を抑える。
- 暴走が止まったグミミンに対してルビーがお土産集めとダンス講習によりパクのころの記憶を戻させる。
- 記憶を完全に取り戻したグミミンが使命を果たそうとするが、ルビーがそれを阻止しようとする。
- 劇場に応援グッズでの応援を依頼し、グミミンが使命を果たすのを阻止する。
- 結
- キャンディータワーの修復を公爵が行うことになる。
- 誕生日パーティをやり直し、エンディングでダンス。
起承転結の承の部分で眠ってしまう人が多いようで、話が分からなくなってしまった人の為に設定を書いておく。お子さんに設定を質問されたときに活用されたし。
- スウィーツランド
- スウィーツランドではスウィーツのすべての材料はマザーマウンテンから湧き出てくる。
- スウィーツペットはキャンディータワーからのパワーを受けている。キャンディータワー不在ではスウィーツペットの耳などが再度生えてこなくなる。
- キャンディータワーは古くなると崩れ、新たなタワーが立つまでには千年以上かかる。
- グミミン
- 公爵がキャンディータワーの付近で拾ったグミのスウィーツペット。付近にあるスウィーツを食べつくすほどの多大な食欲がある。
- 記憶喪失で名前を忘れていたためルビーたちはパクと名付ける。
- 文献によると、キャンディータワーが壊れそうになった時に現れる伝説のスウィーツペット。壊れそうになったキャンディータワーを食べることで、タワーが倒れることによる被害を防ぐ。タワーを食べ終わるとマザーマウンテンで眠りにつき、新たにタワーが作られていく。
今までの正常系、すなわちタワーが食べられて新たなタワーができるまでの長い間スウィーツペットはどうやって生きてたんでしょう。気になる。
地上波で4年間も続けてきたこともあってかジュエルペットについては面倒な紹介もなく最初から全開だった。序盤のダンスのセンター争いでのサフィーとガーネットは作画も音効もすごかったし、あんなサフィーちゃんもいいなあとか。序盤はまんべんなくペットに出番があり、ネタもふんだんに仕込んである感じだったので何度も見返せることでしょう。
話が進むにつれてルビーとパクの比率が高くなってきて他のペットの出番が減ってしまうけれども、ルビーの健気さを愛でられるのでよし。
全体を通してセリフが多く、皆早口。そして本筋と関係のないセリフが多い。たとえば光植物の名称でのカッコ仮など。本当はもっとスウィーツランドの世界を説明するためのたくさんのセリフがあったけれども泣く泣く削られた結果なんじゃないかなあと。もしそうなら小説などで補ってほしいなあ。反発気味だったエクレンがどう変わっていったのかとかも尺がなくて削られたに違いない。
起承転結の転の部分でグミミンの使命をルビーは2度も止めようとしている。2度とも理由は同じで、パクを長い期間眠らせるのはかわいそうだというもの。『きら☆デコッ!ミュージカル』でも似た言動をとっている。べただけど今年度のルビーはいい子すぎて泣けてくる。初回のミュージカルで1回、今回の映画で2回も鼻水を出させただけのことはある。
今回の映画ではグミミンを止めたとしてもその先のことを考えておらず計画性がないが、ルビーがかわいいから許す。
タイトルにあるスウィーツダンスプリンセスは最初なんのこっちゃと思ってたが、パクの記憶を戻すのに用いたのがプリンセスとスウィーツとダンスだったからなのかな。
前作は平成21年3月期 有価証券報告書によると、 "前年度の映画配給に係る営業損失がなくなった" とのことなので赤字だったらしい。前作も今作も公開初日の最初の回を見に行ったが、前作の時と比べると客数が少ない気がする。映画事業は続けてもらいたいのでいい成績が出てほしくはあるが、上映している映画館数が前回以上に少ないから今回も厳しいかもしれない。『てぃんくる』や『サンシャイン』には熱心な人間ファンの方々がいるので、それらの人向けにいろんな円盤を用意して回収だ。