サンリオピューロランドを舞台にしたパーソナルコンピュータ向けのゲームです。1997年に発売され定価は税抜で5700円です。
対象年齢は明記されていませんが、説明書が振り仮名なしの漢字で書かれているため小学生向けではなかろうということで、未就学向けでしょう。ゲームはマウスだけで操作でき、フルボイスとなっています。ゲーム内の文字はごくごく少しだけのひらがなのみがあるだけなので、まだ文字の読めない子でもプレイできることでしょう。
もう15年も前のソフトウェアなため、今のハードウェア・ソフトウェアで動くのかすら怪しいです。
本ソフトウェアは Hybrid CD-ROM となっており Macintosh と Windows の両方で利用できるようになっています。自分は Macintosh を所持していないので Windows で利用することにします。説明書によると Windows での動作環境は以下のようになっています。
- CPU: i486DX以上 (Pentium推奨)
- OS: 日本語 Windows 95
- メモリ: 8MB以上の空き容量
- ディスプレイ: 640x480ドット / 256カラー以上
- その他
- CD-ROMドライブ倍速以上
- Windows 対応サウンドカード
- QuickTime 2.1.2 for Windows (CD-ROMに付属)
今となってはハードウェアスペックで上記を満たさないマシンを用意するほうが逆に難しいくらいでしょう。
物理マシンを使うのは怖いので、まずは仮想マシン上の Windows 7 32bit で QuickTime のインストールを試みました。しかしながら互換モードにしたり User Account Control を無効にしたりしても QuickTime がインストールできず挫折せざる得ませんでした。参考までに仮想マシンの設定は以下です。
- ハイパバイザ: Windows Virtual PC 6.1.7601.17514
- メモリ: 1024MB
- ハードディスク: 25GB
次に同スペックの仮想マシンの Windows XP で試みたところ QuickTime は無事にインストールできたものの、アプリケーションを起動しようとすると以下のように「このプログラムを起動するには、最低 3MB の使用可能な仮想記憶が必要です」というダイアログボックスが出てアプリケーションが起動しませんでした。
メモリが1024MBであるためページファイル(仮想記憶)のサイズは1536MBと設定されているため3MBを優に超えています。ページファイルのサイズが大きすぎると逆に足りないと判断されるのかもしれないと疑い、ページファイルのサイズを64MBに変更したら無事起動することができました。ページファイルのサイズを調整しながら起動するかを確認したところ505MBでは起動し506MBでは起動しないようです。今の時代に用意できるマシンではページファイルのサイズは506MBを超えているはずなので、ページファイルを小さく設定しておく必要があります。
ピューロランドを模したマップとなっています。ハローキティ、バッドばつ丸、ポチャッコの中から1人を選んでそのキャラクターで館内を散策することができます。
ゲーム中で確認できる館内マップは下図です。青く書かれたエリアの枠とエリア番号は勝手につけました。青の太線はエリア切り替えです。
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チックタックキャッスル
ゲームはここから始まり、並んでいる3人の中から1人を選びます。マウスでキャラクターをクリックするとそのキャラクターの形状をしたマウスカーソルに変わります。選んだキャラクターをチックタックキャッスルまで歩かせればそのキャラクターで知恵の木広場に移ることができるのですが、自分は歩き方が分からず初っ端から説明書を読むことになってしまいました。
歩くにはマウスカーソルがキャラクターの形状になっている状態で移動させたい場所でマウスカーソルを持っていくだけです。歩き始めるまでに少々時間がかかること、および背景をクリックすることでクリックされた対象物が何らかの反応を示すためについどこかをクリックしてしまうこと、それによって歩かせる方法が分からなかったのです。
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知恵の木広場
実際のピューロランドと同じくチックタックキャッスルを抜けると知恵の木広場になります。地図に書かれているコンパスの向きが実際と違うのは気のせいでしょう。
ここではパレードを見ることができ、散策しているキャラクターがパレードでセンターポジションになります。
2番以降のエリアではNPCが1人ずついて話しかけることができます。フルボイスで5パターンくらい会話があるような気がします。そのエリア内で操作できることについてのヒント、または当該キャラクターのプロフィールくらいの内容しかしゃべらないため、コアなファンをニヤリとさせることは少ないかと思われます。
風船を割りまくったり風船を飛行船に当てたりしても何も起きないようです。
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知恵の木
花火を見ることができます。知恵の木から見ているはずなのに、館外の入り口からの視点でピューロランドの上に打ち上げられている花火が見られます。
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ピューロリバー
たあ坊に話しかけると跳ね上げられている跳開橋を下ろしてもらえます。橋を渡ると手漕ぎ船に乗れます。
4番エリアから左に行くと川の流れに逆らって漕いで行くゲームが始まります。川の場所によって流れる速度が異なり、流れの速い場所では流されてしまい下流に戻されてしまいます。画面では流速が分からないため運が悪いと苦労します。
次のエリアでは川の上に浮いた障害物をよけながら進むゲームになります。川が流れてないので楽勝です。
先の2つのエリアを抜けると4番エリアに戻ってきます。クリアしたことによる変化は見つけられませんでした。
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ファンタジックシアター
シアター内でライブショーの動画を見ることができます。QuickTime が必要なのはこのシアターのせいでしょう。
見ることができるライブショーは以下の通りです。各ライブショーごとに1-3種類ほどの動画があるようで、時間は約2分です。
- ハローキティのすてきなパーティ
- ハローキティの夢の贈り物
- ハローキティと夜の探検隊
- ハローキティの恐竜島探検
- ポチャッコとペックルの冒険
- リトルキッズの大行進 GO!GO!夢旅行
「夢の贈り物」や「ポチャッコとペックルの冒険」は名作で色褪せないですね。このゲーム内動画の画質は残念なので SanrioBB や DVD で見ましょう。
「リトルキッズの大行進」は初めて見ました。ポチャッコのソロ曲とかありがたいのでぜひともフルで見てみたいものです。このシアターで上演される動画はランダムなため、「リトルキッズの大行進」を見るために何度もシアターに入り直しました。上演中にマウスクリックすることで動画をスキップできる素敵な仕様なので、昨今のムービーゲーは見習うべきです。
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通路?
地面から空気が吹き上げられている個所があり、そこに乗ると操作キャラクターが吹き飛ばされます。吹き飛ばされたことでピューロビレッジの2回に移れないか挑戦しましたが成功しませんでした。
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ゲーム
操作キャラクターに応じたゲームをすることができます。ハローキティの場合は「がんばれ! ハローキティのフルーツ大作戦」、ばつ丸は「あそぼう! バッドばつ丸のスリップアタック」、ポチャッコは「走れ! ボチャッコの GO! GO! レース」です。難易度は低いので失敗することはないでしょう。むしろピューロリバーやドリームワールドのようにゲームと銘打っていないゲームのほうが難しいです。
ゲームをクリアすることによるインセンティブの存在は不明です。
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通路?
館内マップを確認できます。NPCと会話するとかくれんぼしているといっていますが、他のNPCを見つけることは出来ませんでした。
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ドリームワールド
地面にボールが転がっており、それを蹴ってホールに入れることができます。ボールをホールに入れると効果音が鳴りますが何の効果があるかは不明です。蹴る強さの調節ができないことと狙った方向にボールが飛んで行かないことにより難易度は高めです。ばつ丸が邪魔してボールを蹴ってきますが大して邪魔にはなりません。
説明書の裏側に声の出演が書かれています。
- ハローキティ: 林原めぐみ
- バッドばつ丸: 瀧本富士子
- ポチャッコ: かないみか
- けろけろけろっぴ: 松尾佳子
- おさるのもんきち: 渡辺久美子
- ペックル: 山田恭子
- みんなのたあ坊: 高木早苗
- いちごの王様: 片山耕
おなじみのメンバーが並んでいますが、このうち、いちごの王様はゲーム中で確認できませんでした。片山さんの声らしきものも確認できませんでした。確認できる方法をご存知の方は是非お教えください。
今となっては単なるコレクターズアイテムです。ゲームとしての価値はないと思ったほうがよいでしょう。2時間くらいで飽きました。SanrioBB にあるゲームのほうがはるかに遊べるので、そちらをお勧めします。売り上げにも貢献できますしね。